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グレート・リタ/愚冷刀凛汰(逢坂鈴汰)のプロレス専門ブログ。団体は新日本、W-1。選手は武藤敬司、グレート・ムタ、飯伏幸太、棚橋弘至、中邑真輔、内藤哲也、真田聖也、その他新日本、W-1勢など。Twitter :@rita_osaka
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こんにちは。
愚冷刀凛汰です。

前回の記事でイッテンヨン東京ドーム大会の感想を書きましたが、
その興奮冷めやらぬうちに現在は「FANTASTICA MANIA 2015」の真っ最中。
CMLLのルチャドール達の動きは、何度見ても予想外・奇想天外・吃驚仰天。
まだ見たことがない人は「新日本プロレスワールド」でどうぞ。

今回のFANTASTICA MANIAにはフエゴが参加しておらず、少し残念。
ラ・ソンブラやU・ゲレーロ、最近ではマスカラ・ドラダもそうですが、
かなりガタイのいいルチャドールが増えてきている中で、
しゅっと細身でしかも柔軟なフエゴの動きはすごく印象的です。
もちろん入場時のダンスもですが(笑)
あとミスティコがイマイチ目立っていないような?
初代ミスティコのシン・カラに身体能力では全く劣っていないのですが、
やはり二代目は少し元気がないですね。
タイガーマスクのように二代目で新たなブランドを開拓できればいいのでしょうけども。

さて、今回は「リマッチ」のお話を少し。
他団体においてはどうかはよく知りませんが、
新日本プロレスにおいては王者、つまりベルト所有者には「リマッチ権」が与えられ、
王者が敗戦して王座から陥落した場合、元王者はリマッチ権を行使することで優先的に王座への挑戦が認められます。
そのため王座を巡る好カードが何度も見られ、ファンにとっては嬉しい制度です。
2月の大阪と仙台で行われるビッグマッチでも、
真壁vs石井、田口vsケニー、後藤&柴田vsギャローズ&アンダーソン、reDRAGONvsヤングバックスvsTIME SPLITTERSのリマッチが決定しています。
イッテンヨンで名勝負が見られたカードですから、期待できますね。

な・の・で・す・が。

個人の意見を先に言いますが、
筆者はこのリマッチ権、廃止すべきだと思っています。
ついでに、「同一選手・チームによる同王座への連続挑戦」も禁止すべきだと思います。

最大の理由は新日本の選手の多さ、それに見合わないほど偏ったタイトルマッチのカードです。

いくらなんでもチャンスが回ってこない選手が多すぎると思うんです。
特にジュニアヘビー級はほとんどヤングバックス、TIME SPLITTERS、フォーエバー・フーリガンズでローテーションが組まれているような感じです。
新鮮さがなくなっていきます。
ヘビー級にしても、棚橋とオカダで取り合いが続いてたところに突然AJスタイルズが飛び込んできて、今度はその3人によるタイトルマッチのローテーションが始まろうとしています。

昔はビッグマッチのたびにIWGPヘビー級選手権試合をやってたので、リマッチもうまく消化できていたのですが、
現在はIWGPインターコンチネンタル選手権試合が行われる興行ではヘビー級選手権試合が行われない形が増えてきたので、リマッチ権が行使されるとどうしても長いスパンで同じカードが繰り返されることになるんですね。
同一選手・チームによる連続挑戦も同じですね。

現在の新日本には過剰なほどの所属・参戦選手がいて、
興行によっては試合がない選手も増えてきています。
そういった選手たちを腐らせないためにも、
チャンスは誰の前にも回ってくるべきだと思います。

これ、ホントにいろんな人の意見を聞きたいので、
よろしければコメント、もしくはTwitterへのリプライをよろしくお願いします。
Twitterは「GreatRita1016」です。

では、今回はこの辺で。

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プロレスファンの皆様、新年明けましておめでとうございます(遅い)。
昨年11月から更新が停滞しておりますが、
本年も愚冷刀凛汰と当ブログをよろしくお願いいたします。

さて、新年一発目、闘い詣のイッテンヨン!
1月4日 新日本プロレス『WRESTLE KINGDOM9』東京ドーム大会、
会場にて観戦してきましたので、各試合の結果と感想を少し。


観衆 36,000人(満員)
第0試合の時は割と空席が目立ってました。
が、第1試合開始時にはそれはもう大量のお客さんでした。
初めて東京ドームの中に入ったのですが、圧倒されましたね。
▼第0試合1分時間差バトルロイヤル ~ニュージャパンランボー
○優勝:永田裕志
[26分09秒]
バックドロップホールド
(11分28秒 失格)キャプテン・ニュージャパン
(12分12秒 失格)獣神サンダー・ライガー
(12分13秒 失格)エル・デスペラード
(20分15秒 失格)ザ・グレート・カブキ
(20分15秒 失格)TAKAみちのく
(20分20秒 失格)藤原喜明
(21分10秒 退場)タイチ
(20分40秒 失格)ヒロ斉藤
(22分20秒 失格)タイガーマスク
(23分11秒 失格)田中翔
(23分38秒 失格)中西学
(24分05秒 失格)小松洋平
(24分30秒 失格)タマ・トンガ
(26分09秒 失格)YOSHI-HASHI


何といってもヒロ斉藤、藤原喜明、ザ・グレート・カブキというレジェンド陣のサプライズ登場が印象的でした。
ヤングライオンの小松、田中の奮闘もいい感じでしたね。
そして最後はYOSHI-HASHIと永田の一騎打ち。
全力を振り絞ってタマ・トンガを放り出したYOSHI-HASHIに、目を輝かせて踊りかかる永田裕志。
永田という人物が好きになれないので、ずっとYOSHI-HASHIを応援してましたが。
残念でした。
しかしYOSHI-HASHIvsタマ・トンガはシングルで見たいですね。
他にもいろいろシングルで見てみたい顔合わせが実現して、ダークマッチながらかなりのクオリティでした。大満足。
しかし映像スタッフのミスでカウントより先に中西学と出てしまったのは残念でした。
▼第1試合IWGP Jr.タッグ選手権試合4WAYマッチ
・挑戦者組 タイムスプリッターズ(KUSHIDA&アレックス・シェリー)
vs
フォーエバーフーリガンズ(ロッキー・ロメロ&アレックス・コズロフ×)
vs
ヤングバックス(ニック・ジャクソン&マット・ジャクソン)
vs
王者組 reDRAGON(カイル・オライリー○&ボビー・フィッシュ)
[13分01秒]
チェイシング・ザ・ドラゴン→片エビ固め
※reDRAGONが初防衛に成功

4つのタッグチーム、総勢8人によるタッグマッチ。
ROHのオライリー&フィッシュのreDRAGONがアレックス・コズロフをチェイシング・ザ・ドラゴンで沈めて初防衛に成功しました。
全8人の中で特に目を引いたのがアレックス・コズロフでした。
明らかにだんだん体が大きくなっているのに、軽々とヘッドシザース・ホイップをやってのけた時にはさすがに驚きました。
逆にKUSHIDAとシェリーはほとんど目立ちませんでしたね。印象が薄いです。
次期挑戦者はどうなるのでしょうか?
気になるところですね。
reDRAGONをずーっと「レッドドラゴン」と言ってる人が多いのも気になるところです。
▼第2試合
本間朋晃○&天山広吉&小島聡
vs
高橋裕二郎×&バッドラック・ファレ&ジェフ・ジャレット
[05分35秒]
こけし→片エビ固め

本間への歓声がすごかったですね。
コールに関しては、「棚橋」「オカダ」「中邑」「飯伏」コールよりも「こけし」コールの方が断然大きかったと思います。
それにしてもBULLET CLUB側の印象が妙に薄いですね。
特にジャレット。何してたっけ?というレベルです。
ギターの誤爆しか覚えてない。
うまく噛み合ってないように思いました。
それより本間はいつまでG.B.H時代のヘヴィな入場曲使うんだろう?
▼第3試合
TMDK(シェイン・ヘイスト&マイキー・ニコルス)&丸藤正道○&矢野通
vs
KES(ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.)&シェルトン・X・ベンジャミン&飯塚高史×
[05分05秒]
虎王→片エビ固め

TMDKのサンダーバレーから丸藤が虎王で飯塚からピンフォール。
せっかく豪華なメンバーなのに試合時間が5分ちょいと短く非常にもったいない。
丸藤とベンジャミン、TMDKとKESの絡みなんかはタイトルマッチでやってもいいぐらいですね。
試合後のコメントで、KESがノア参戦を示唆。
ひょっとしたら鈴木軍のノア遠征があるかもしれません。
かなり楽しみです。
▼第4試合
鈴木みのる○
vs
桜庭和志×
[09分21秒]
レフェリーストップ

スリーパーホールド→逆落とし→スリーパーホールド でレフェリーストップ。
鈴木みのるは大一番にのみ着用する白タイツ(新日本で着用するのは初か)に、
髪も眉もすべて白に染め上げ気合十分で登場。
試合開始時から桜庭に前哨戦のような勢いがなく、完全に気圧されてるように見えました。
フィニッシュ手前の逆落としは見てたんですが、レフェリーストップの瞬間はちょうど移動販売のお姉さんからビールを買ったとこだったので見れませんでした・・・。
それだけが心残り。

▼第5試合 NEVER無差別級選手権試合
(王者)石井智宏×
vs
(挑戦者)真壁刀義○
[12分23秒]
キングコングニードロップ→片エビ固め
※真壁刀義が新王者となる

もはやNEVER王座戦のお約束になりつつある、ゴッツゴツの肉弾戦。
身長差をものともしない石井の攻撃、フラフラになりながらも歯を食いしばって反撃する真壁の意地。
凄い試合でした。
11月大阪の後藤戦の方が盛り上がった気はしましたが、それでもいい試合でしたね。
次の挑戦者は誰になるんでしょうか?
予想は飯伏幸太。

▼第6試合 IWGP Jr.ヘビー級選手権試合
(王者)田口隆祐×
vs
(挑戦者)ケニー・オメガ○
[13分20秒]
片翼の天使→片エビ固め
※ケニー・オメガが新王者となる

衝撃のBC入りを果たしたケニー・オメガが、新日本所属となってから初めての試合。
フィニッシュは、以前メインにしていたクロイツ・ラスではなく大一番にのみ解禁していた片翼の天使。
確かにジャーマンに繋げるクロイツ・ラスより、みちのくドライバーⅡの形で落としていく片翼の天使の方が、ヒールのイメージには合っていると思いますね。
ファイトスタイルを打撃多めのラフスタイルに変えたケニー、実にかっこよかったです。
まるでデヴィットのようでもありましたね。
リマッチも決定しましたし、これからのケニーに期待です。
▼第7試合 IWGPタッグ選手権試合
(王者組)ドク・ギャローズ×&カール・アンダーソン
vs
(挑戦者組)後藤洋央紀&柴田勝頼○
[09分00秒]
PK→片エビ固め
※後藤・柴田組が新王者となる

完全に勢いに乗った後藤&柴田の勝ち試合でした。
途中のマジックキラーを防いだ時点で、もう勝ちが確定したも同然。
後藤&柴田組は、今のところちゃんとした連携技がダブル牛殺しぐらいしかないので、
それこそマジックキラーのような必殺の連携技があれば、タッグとしてもっと強くなれると思います。
リマッチも楽しみですが、個人的に柴田勝頼と前哨戦で激しく火花を散らしていた内藤哲也との関係も気になります。
▼第8試合
内藤哲也×
vs
AJスタイルズ○
[14分25秒]
雪崩式スタイルズクラッシュ→エビ固め
個人的に一番期待していた試合だったのですが・・・。
攻め気を見せていた内藤でしたが、最後は雪崩式フランケンシュタイナーをキャッチされ、そのまま雪崩式スタイルズクラッシュを喰らいフィニッシュ。
一瞬で自分の必殺技に持っていくAJスタイルズのセンスとパワーも恐ろしいものがありますが、
やはり内藤。チャンスに弱いよ内藤。
2010年以降、欠場した2013年を除いて1回もドームで勝てていない内藤。
実にファンの心理をやきもきさせてくれます。
2015年、スタートダッシュでいきなり躓きましたが、きっと浮上してくれる。そう信じてます。
頑張れ内藤。
▼第9試合  IWGPインターコンチネンタル選手権試合
(王者)中邑真輔○
vs
(挑戦者)飯伏幸太×
[20分12秒]
ボマイェ→片エビ固め
※中邑真輔が2度目の防衛に成功

2013年ベストバウトを獲得した両者によるタイトルマッチ。
その期待を裏切らず、何とも凄まじい大激戦となりました。
全体の6割ぐらいは殴り合ってましたね。
個人的に一番の名場面は、飯伏が中邑にボマイェを撃ち込んだ瞬間。
一生忘れないでしょう。見事なボマイェでした。
久しぶりに中邑のランドスライドも見れましたし、大満足の試合でした。
欲を言うならば、もっとじっくりとグラウンドでの戦いを見てみたかった。
飯伏がヘビー級戦線で勝ち残っていくためには必要だと思います。グラウンドテクニック。
▼第10試合 IWGPヘビー級選手権試合
(王者)棚橋弘至○
vs
(挑戦者)オカダ・カズチカ×
[30分57秒]
ハイフライフロー→片エビ固め
※棚橋弘至が初防衛に成功

何度も対決してるがゆえに、中邑vs飯伏戦に食われるのではないかと思いましたが、
蓋を開けてみればお互いの全てを出し尽くした大激戦でした。
2015年一発目にして、今年のベストバウト候補だと思ってます。
オカダは序盤しかペースを掴めず、途中からはほとんど動きが止まってしまってました。
やっとの思いで決めた正調レインメーカーも返され、まさに打つ手なし。
完全に棚橋の掌の上でした。あんなにペースを掴めないオカダも珍しい。
棚橋がレインメーカーを仕掛け、返されてピンチに陥った時は「何やってんだ!」と思わず叫んでしまいました。ああいう危うさはいらないような気がします。
最後のハイフライフローが決まり、マットが三回叩かれた瞬間、
立ち上がって大絶叫していました。熱狂とはあの事ですね。

今回は休憩がなく、煽りVTRもメイン2試合だけだったのでテンポ良く進み、
あっという間にメインになってしまった、という感じでした。
あまりにも冗長になってしまった昨年の反省でしょうか?
煽りVはもっとあってもいいような気がしましたけど。
新日本生観戦3回目にして初の「愛してまーす!」が叶い、嬉しい限りです。
ちなみに3回の生観戦のうち小島聡の試合回数は1回、丸藤正道の参戦は2回です。
丸藤に縁がありますね。その代わり(?)コジに縁がありません。
GHCヘビー級タイトルマッチ、楽しみです!

今回は前に一緒にWRESTLE-1両国大会に行った後輩と、プロレスほぼ初見の同級生が同行しました。
2人ともすごく楽しかったそうで、ホントに何よりです。
11月の同行者(プロレス初見)も楽しかったそうで、
今の新日本はホントに楽しいんだなーと思った次第です。

次回のプロレス観戦はまだ決めてません。
2月は他に行くところがあるのでちょっと無理ですね。
今度観戦するなら、未だ叶ってないプロレスファン仲間との観戦がしたいです。
そんなわけで2015年も新日本プロレスから目が離せません!

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当ブログをご覧の皆様、お久しぶりでございます。
愚冷刀凛汰です。

11月21日からブログの更新が途絶えておりました。
楽しみにしてくださっていた方、申し訳ございませんでした。
毎週ブログを書くということに対してのモチベーションが上がらず・・・。

そんなこんなで、早くも2014年も残り1日。
本当ならば愚冷刀凛汰が選ぶプロレス大賞なんかも発表したかったんですが・・・

穴だらけの更新でしたが、
本年は「愚冷刀凛汰のプロレス地獄篇」を御贔屓下さり、ありがとうございました。
来年も当ブログ、小説「RYUSEI」、愚冷刀凛汰本人を
どうぞよろしくお願いいたします。

簡単ではございますが、これを以て2014年のブログ更新は終了させていただきます。

年明けにはイッテンヨンが待ち構えておりますね。
愚冷刀凛汰は東京ドームに乗り込み観戦します!

来年もプロレスがより熱く燃え上がりますように。

全てのプロレスファンの皆様、
良いお年をお迎えくださいませ。

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連載小説『RYUSEI』



第1章 ジュニアの象徴







 厚いこの透明な板を通してもはっきりと見えるような大粒の雨が、東洋プロレス道場の全身を打ち据えていた。
 元々創設者の持ち家を改装して寮を造り、その横に建てたこの道場は、大きめのトタン小屋に過ぎない。夏は暑く、冬は寒い。古くからの日本家屋のようだ。
 小屋の真ん中には、試合で使うものと全く同じリングが常設されている。その周辺にトレーニング器具や医療用具、プロレス以外のスポーツの用具などが配置され、選手たちはオフになるとここで汗を流す。
 といっても、全員が一堂に会して練習を行うわけではない。トップ選手はリング外での仕事の合間を縫って道場に足を運ぶ。
 さらに、基本的に道場の使用時間はユニットごとに区切られている。
 東洋プロレス本隊、神話軍、CAOS(カオス)など、東洋プロレスにはいくつかのユニットが存在するが、それらのユニットは基本的に対立関係にある。
 東洋プロレスではその辺は徹底していて、ユニットごとに巡業バスやホテル、練習時間などもすべて異なっているのだ。
 新藤隆也、そして高崎裕太郎のLIMITLESSは、一応は本隊所属ということになっている。
 が、別に馴れ合うつもりはなかった。
 裕太郎はどうか知らないが、もともと隆也は多人数が好きではない。
 この日もあえて本隊の練習時間と少しずらし、ユニットとユニットの間の空白の時間を使ってトレーニングを行っている。
 今日は、裕太郎もいない。彼は、自身のルーツである母校のレスリング部の練習に参加している。
 リング上でじっくりと体をほぐし、ウォーミングアップ。
 ロープに体を預け、その反動で走り、また反対のロープへ。
 プロレスの基本、ロープワークだ。
 しばらく往復した後、深くロープに寄り掛かる。
 そのままマットを蹴り、大きく跳んだ。
 リング中央あたりに前転しながら着地。
 この動きに、エルボーを加えて・・・。
 頭の中で新たな技を思い描きながら、体を動かし続ける。
(このエルボーもいい技だ。だけどもっと・・・もっと高く跳びたいんだ俺は)
 瞬間、せわしなく動いていた隆也はぴたりと動きを止め、そこを見つめた。
 コーナートップ。
 ロープの支柱となる四本の柱の、その頂である。
 今までコーナートップに上ったことはない。トップ上からドロップキックを放つ『ミサイルキック』も、まだ試したことがない。
 ウォーミングアップからいきなり激しいロープワークに移行したことで、隆也の心臓は激しく鼓動していた。
 心音、荒い呼吸の音、そして降りしきる雨の音。
 道場には隆也、ただ一人。
 意を決して、リング上からコーナーに上った。
 リングに背を向け、場外を向く形になる。
 リングの高さとコーナーの高さ、そして隆也の身長で、床から5メートル近い高さ。
 天井と電灯が目の前にある。手が届きそうだ。
 いつまで経っても止まることのない雨音が、隆也に孤独感を与える。
 まとわりつく恐怖を振り払うように、隆也は思い切りロープを蹴って背後に跳んだ。
 綺麗な弧を描き、リングに敷いた柔らかいマットに体から落ちる。
 ムーンサルトプレスと呼ばれる技だ。
 かつてこの東洋プロレスの主役であった天才レスラーが初めて使用し、瞬く間に世界標準となった。
 初めて使用したが、難なく成功した。見栄えが良く、難易度もそう高くない、とてもいい空中技だ。空中殺法を得意とするジュニアヘビー級のレスラーのみならず、体の大きなヘビー級レスラーにも使用者は多い。
 だが、隆也はムーンサルトプレスをフィニッシュに使用する気にはならなかった。
 この技は、あまりにも普及しすぎてしまっている。
 今更ジュニアヘビー級の、しかも跳躍力を売りにする俺が使っても、説得力はない。
 裕太郎ぐらい筋肉質なレスラーだったら、見栄えもいいだろうけど。
 今度は、一度エプロンサイドに出てからコーナートップへ。
 リング内を見ながらコーナートップに立つ。
 ここから、どう飛ぶか。
 考えはもうできている。
 しかし、果たして成功するか。
 難易度はムーンサルトよりもはるかに上。危険な技だ。
 首を振り、不安と恐怖を払った。
「行くぞ!」
 自らを鼓舞するため、短く叫ぶ。
 トタン小屋に響いたその声が一瞬だけ雨の音を掻き消した。
 その刹那、隆也はロープを強く蹴った。



(続く)

拍手

皆さんごきげんよう。愚冷刀凛汰です。

11月8日の大阪大会(開場で観戦してきました)をもって、新日本プロレスの年内のビッグマッチはすべて終了しました。
10月両国に続き、11月大阪でもイッテンヨン東京ドームのカードがいくつか決定しましたね。
今回はそんなイッテンヨンの既報カードにコメントを入れつつ、
今後見てみたいカードを考えてみたいと思います。
筆者は新日本プロレスファンで、武藤敬司タイプのレスラーが好きなので、どうしても選手や団体のジャンルは偏ってしまいますが、
お暇な方は最後までどうぞ。

ちなみにイッテンヨンはチケット予約済みです。

では、イッテンヨン関連から参りましょう。

現在決定しているカードそれぞれについて軽く触れていきましょう。


・メインイベント IWGPヘビー級選手権試合
(王者)棚橋弘至 vs オカダ・カズチカ(挑戦者)

2013年10月の両国以来のタイトルマッチ。
当時は見飽きた感がありましたが、いざ巡ってきてみると意外に久しぶりなんだなという。
棚橋は中邑真輔・柴田勝頼、オカダはAJスタイルズというライバルとの激闘を経ての顔合わせになります。
すでに完成している感がある両者ですが、東京ドームという大舞台で何を魅せるのか。
今までの一連の抗争と同じことをやっているだけでは、確実に他の試合に食われてしまうでしょう。
新日本の顔となった両者の、レスラーとしての手腕が問われる本当に大きな一試合になりそうです。
勝利予想は棚橋弘至。希望も同じ。


・IWGPインターコンチネンタル選手権試合
(王者)中邑真輔 vs 飯伏幸太(挑戦者)

2013年のG1 CLIMAX公式戦で、年間ベストバウト賞を獲得した両者の闘いです。
それだけに前評判はかなり高いはずです。ハードルはそれはもうとんでもなく高いですね。
しかし、中邑に飯伏という二人なら、難なく越えてしまうような気もします。
ポイントとなるのが、ヘビー級に転向した飯伏幸太の闘い方。
個人的な予想と願望では、リコシェ戦以来のフェニックス・プレックス・ホールドが見られるのではないかとわくわくしております。
衝撃のBC入りを果たしたケニーとの関係も気になってしまいますが、
新日本屈指の個性派二人の激闘、今回のイッテンヨンで一番楽しみなカードです。
勝利予想は中邑真輔。希望は飯伏幸太。


・IWGPジュニアヘビー級選手権試合
(王者)田口隆祐 vs ケニー・オメガ(挑戦者)


大阪大会でBULLET CLUBに電撃加入したケニー・オメガと、最近独特のコメントに磨きがかかってきた田口隆祐、かつての盟友同士のタイトル戦。
注目はなんといってもケニーですね。今まで明るく楽しくそして激しい闘いを魅せてきたケニーですが、BCに加入しヒールターンしたからにはそのままのファイトスタイルというわけにもいかないでしょう。
筆者としては未だにケニーのBC入りが衝撃でなりません。本人が会見で「自分には合わない」と言っていたので、入るとしてもCHAOSだと思ってました。
あまりにも衝撃だったため、大阪大会会場で退場するケニーに「バカヤロー!」と叫んでしまいました。そのままのケニーでいてほしかったです。急なヒールターンには違和感しかありませんし・・・。
意外と肯定意見が多いので、開き直って新たなケニーを楽しむつもりではいますが。いつか元のケニーに戻ってくれるのを心待ちにしています。
田口隆祐については・・・特にありません。
勝利予想はケニー・オメガ。希望も同じ。


・IWGPジュニアタッグ選手権試合4WAYマッチ
(チャンピオンチーム)reDragon(カイル・オライリー&ボビー・フィッシュ)vs ヤングバックス(マット・ジャクソン&ニック・ジャクソン)vs フォーエバー・フーリガンズ(ロッキー・ロメロ&アレックス・コズロフ)vs TIME SPLTTERS(KUSHIDA&アレックス・シェリー)(チャレンジャーチーム)


長い!チーム名と選手名だけでどんだけ長いんだ!!!
混沌とするジュニアタッグ戦線ですが、なんとついに4WAYタッグマッチが実現する運びとなってしまいました。
確かにKUSHIDAが言う通り、3WAY以上の試合は日本では馴染みが浅いというか、そんなに歓迎されません。そりゃそうでしょう、目が足りないもん!
そろそろジュニアタッグ戦線も固定されてきたなーと思ったところにすっと入ってきた、ジュニアタッグリーグ優勝チームreDragon。彼らは飛び技や派手な打撃技が目立つ新日ジュニアマットに、正統派レスリングの風を吹かせる功労者になる気がします。
勝利予想はわかりません。希望も特になし。どのチームが勝っても、たぶんどのチームかが挑戦するんだろうから。


・NEVER無差別級選手権試合
(王者)石井智宏 vs 真壁刀義(挑戦者)


これもなんとも楽しみな一戦。
大阪大会ベストバウトの呼び声高い石井智宏vs後藤洋央紀を超えられるか。
近年の真壁はタッグでの試合が主で、シングルマッチでの勝率は高いとは言えません。しかし、最もその現状にイラついているのは真壁本人でしょう。
ここは覚醒し、ハードコアでもラフでもなんでもありの真壁刀義をもう一度見せてほしい。
勝利予想は真壁刀義。希望も同じ。


・シングルマッチ
内藤哲也 vs AJスタイルズ


これは2015年を内藤哲也の年にするための、最初にして最も大きなチャンスです。
ここでAJを再び撃破すれば、必然的にIWGPヘビー級次期挑戦者となれます。
もちろんジェフ・ジャレット初めBCメンバーの乱入はあるでしょうが、そこは正規軍の結束を見せてもらうということで。
一方のAJは、新日本マットでは今のところ棚橋以外に負け越していません。オカダですら二度続けて破っています。オカダファンとしては棚橋に勝って王者に返り咲き、憎きAJを完全に倒してほしいところでしょうけど・・・。
勝利予想は五分五分? 希望は内藤哲也!
棚橋との戦いを制し、悲願のベルトを!!


・シングルマッチ
鈴木みのる vs
桜庭和志

バチバチですねー。言葉はいらない気がします。
おそらくこの試合が前半~中盤の山場になるのでしょう。
非常に楽しみです。
勝利予想は鈴木みのる。希望も同じ。


既報カードについてはこれで全部ですね?
その他のカードに関しては、予想と情報、予想ではこんな感じです。

・ヨシタツ vs ジェフ・ジャレット
・NWA世界ジュニアヘビー級選手権試合 獣神サンダー・ライガー初の防衛戦
・IWGPタッグ選手権試合 アンダーソン・ギャローズvsWORLD TAG LEAGUE優勝チーム
※予想:(王者組)カール・アンダーソン&ドク・ギャローズ vs 後藤洋央紀&柴田勝頼(挑戦者組)
・GHCヘビー級選手権試合 小島聡 vs GHCヘビー級王者(杉浦貴)
・永田裕志 vs 超危暴軍

予想はあくまで予想ですが、実にココロオドルカードが目白押しです。
開場に行くのが俄然楽しみになってきました。あといくつ寝るとイッテンヨン。


さて、ここからなんですが、「単純に見たいカード」をいくつか挙げていきます。
プロレス界には大小さまざまな団体がありますが、
特に新日本プロレスは所属選手がかなり多い上に外敵王者や定期参戦選手も多いので、
団体対抗戦の形式になることがほとんどありません。
なので、新日本プロレスの選手vs他団体の選手をテーマに、筆者が見たいと思うカードをいくつかご紹介。


シングルマッチ
(新日本プロレス)内藤哲也 vs 真田聖也(WRESTLE-1/TNA)

他団体選手との試合で、今一番見たいのがこのカードです。
両者は2012年、新日本&全日本の40周年記念大会でタッグマッチながら対戦しています。
この時の対戦は、2011年のALL TOGETHERでのタッグ結成後、両者の希望によって実現したとのこと。
対決から早2年超。内藤はG1優勝やNEVER戴冠、真田は日本人初めてのTNA Xディヴィジョン王者となり世界標準に。進化した両雄の激闘、もし実現するならば絶対に会場に行きます。
W-1王座タイトルマッチなんかだと尚いいですね。


・シングルマッチ
(新日本プロレス)KUSHIDA vs TAJIRI(WRESTLE-1)

SMASHメモリアルマッチ。かつての師であるTAJIRIに、現在のKUSHIDAを見せてほしい。
TAJIRIはTAJIRIで、デスペラードの先兵として新日本侵略に来てほしいですね。
そして、迎撃するのはぜひともKUSHIDAであってほしい。
世界の舞台へ駆け上がろうとする若き星と、その舞台でスポットライトを浴び続けたスーパースターとの対決。想像するだけでもゾクゾクが止まりません。


・タッグマッチ
(新日本プロレス)TIME SPLITTERS(KUSHIDA&アレックス・シェリー)vs TEAM 246(近藤修司&カズ・ハヤシ)

新日本vsWRESTLE-1、ジュニアタッグ頂上決戦。IWGPジュニアタッグのタイトルマッチでもいいですね。カズはKUSHIDAとよく似た(正確にはTAJIRIと似た)ファイトスタイルですし、シェリーと近藤は真逆。
とっても充実したジュニア戦になりそうなのですが、どうでしょう?


・シングルマッチ
(新日本プロレス/DDT)飯伏幸太 vs 丸藤正道(プロレスリング・ノア)

ジュニアからヘビーへ。大きな壁を乗り越えて、その中でも輝きを忘れない2人の天才。
彼らが交わる時、まさに新たな時代の幕開けとなるのだ。
と、一本小説が書けそうなカード。これも実現するならば行きますよ会場に。
両者の絡みは、ずいぶん昔にタッグを組んで以降ないのかな?
このカード一本であらゆる団体のファンを呼んでこれますね。見たい!


・シングルマッチ
(新日本プロレス)棚橋弘至 vs KAI(WRESTLE-1)

エース対決。実力やエースとしての器から見れば、KAIが棚橋に勝てるとは考えられません。今のKAIでは足元にも及ばないでしょう。棚橋はKAIにとっての巨大な壁として立ちはだかり、厳しい試練となってほしいです。
それぐらいしないとKAIはエースとして開花できない気がします。悲しいことに。


・シングルマッチ
(新日本プロレス)石井智宏 vs 関本大介(大日本プロレス)

これ、近いうちに実現しそうな気もします。
説明不要の黄金カード。とんでもなく熱い試合になりそうですね。


他にも棚橋弘至vs真田聖也、中邑真輔vs真田聖也・・・などなど、興味は尽きませんが。
いやーカード妄想って楽しい!!
ってことで。

皆さんも、実現してほしい妄想カードがあれば教えてください。

では今回はこの辺で。

拍手

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HN:
グレート・リタ
年齢:
894
HP:
性別:
男性
誕生日:
1129/10/16
職業:
アマチュアプロレス論者兼アマチュアプロレス小説作家
趣味:
プロレス観戦とプロレス論の構築、プロレス小説の執筆
自己紹介:
要するにただのプロレス好き。
詳細プロフィール、連絡等はTwitterに。
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コガネモチ
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